RSIの確率
株価が割高であるか、割安であるかを表す指標に「RSI(Relative Strength Index))」というのがある。
RSIの値が小さいときは株価が割安でその後株価は上昇する傾向があるらしい。
また、RSIの値が大きいときは株価が割高でその後株価は下降する傾向があるらしい。
今回はRSIの値と株価の推移(確率)について計算してみた。
RSIが低いときの株価の動き
RSIが低いとき株価はどのように推移するのか。以下のような手順で計算してみた。
- 2000年1月~2014年8月の日経平均銘柄(225種)の日足データを用意。
- RSIが30%以下の水準である日を抽出。
- 抽出した日の1営業日~5営業日後の株価の統計をとって前日比が「プラスである確率」と「マイナスである確率」を計算。
- 抽出した日の1営業日~5営業日後について前日比の期待値を計算。
※ちなみにRSIは以下の式によって計算した。
RSI[%] = {A /(A + B)} × 100
(A:14日間の値上がり幅の平均、B:14日間の値下がり幅の平均)
以下が計算結果。
計算結果を見ると、
・1営業日後の前日比がプラスである確率は49.3%(マイナスである確率は46.3%)
・2営業日後の前日比がプラスである確率は49.1%(マイナスである確率は46.5%)
・3営業日後の前日比がプラスである確率は48.8%(マイナスである確率は46.8%)
・4営業日後の前日比がプラスである確率は48.4%(マイナスである確率は47.1%)
・5営業日後の前日比がプラスである確率は48.2%(マイナスである確率は47.2%)
であった。
この結果を見ると、RSIが低いとき(30%以下)、その後一週間は株価が上がっていく傾向があるようだ(かなり小さな傾向だけど)。
珍しく予想通りの結果になったな・・・。
(※ちなみに、RSIが30%以下であった日数は全部で88430件あるので、サンプル数は十分たくさんあると思います。)
RSIが高いときの株価の動き
次は同様の方法でRSIが高いとき(70%以上)について計算してみた。
以下が計算結果。
計算結果を見ると、
・1営業日後の前日比がプラスである確率は45.4%(マイナスである確率は49.6%)
・2営業日後の前日比がプラスである確率は46.5%(マイナスである確率は48.5%)
・3営業日後の前日比がプラスである確率は46.7%(マイナスである確率は48.3%)
・4営業日後の前日比がプラスである確率は47.2%(マイナスである確率は48.0%)
・5営業日後の前日比がプラスである確率は47.2%(マイナスである確率は48.0%)
であった。
この結果を見ると、RSIが高いとき(70%以上)、確率的にはその後一週間は株価が下がっていく傾向があるようだ(かなり小さな傾向)。
ただし、ここで注意したいのが前日比の期待値の項目。一営業日後の期待値は-0.015%で下げ傾向だけど、それ以降の期待値はプラスをマークしている。
これは、二営業日以降は売りではなくてむしろ買いの方が利益を上げられることを意味している。
RSIが高いときは、株価は単純な下げ傾向とはいえずに少々複雑な推移をするようだ。
(※ちなみに、RSIが70%以上であった日数は全部で102726件あるので、サンプル数は十分たくさんあると思います。)
結論
・RSIが30%以下の水準にあるときは、株価は上昇していく傾向が見られた(ただしとても小さな傾向)。
・RSIが70%以上の水準にあるときは、株価は確率的には下降していく傾向が見られた(とても小さな傾向)。しかし、期待値を考えると単純に売りとはいえない複雑な推移をすることが分かった。